「ダフニスとクロエのあらすじ知ってる?」と、ダフニスとクロエを聴いていた子供が唐突に言ってきました。
ダフニスとクロエはもともとはラヴェルの作曲したバレエ音楽。
あらすじを説明するには第1幕から第3幕までの長いお話になりそうです。
よく演奏されてる「ダフニスとクロエ第二組曲の夜明け、パントマイム、全員の踊り」ってどんなシーンなんだろう。
たしかにあらすじを知って聞いたほうが、音楽がもっと楽しめますよね。
ダフニスとクロエのあらすじをご紹介します。
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ダフニスとクロエのあらすじ
ダフニスとクロエのあらすじをご紹介します。
捨て子のダフニス(男)と、同じように捨て子のクロエ(女)。
ダフニスはヤギを飼って暮らしていた牧人に、クロエは羊を飼って暮らしていた牧人に拾われて育てられていました。
二人はやがて大きくなりました。
ダフニスはヤギ飼いに、クロエは羊飼いとなりました。
ある日、二人は牧草地で出会います。
そしてお互いに恋をします。
でもダフニスとクロエはお互いがお互いに恋をしていることに気がつきません。
ある時、同じ牧人のおじいさんから「恋人同士じゃないだって?そんなに思い合っているのに?」と言われ、恋をしていることに気がつきます。
場面が変わって別の日、若い牧人たちが祭壇に集まって踊りを楽しんでいました。
その場にはクロエに片思いしている牛飼いのドルコンがいました。
でもクロエのことはダフニスが好きですし、クロエもダフニスが好きです。
それなのにクロエが好きだと言うドルコンはいわば邪魔ものなんですけど、ちょっとプライドの高い自信過剰男だったんですね。
ドルコンとダフニスはクロエをかけて踊りで勝負をつけることになります。
ドルコンの踊りはそれはそれは気持ち悪かったらしく散々で。
ダフニスが勝利します。
それで、ダフニスとクロエが幸せいっぱいに抱きしめ合っていたところへ、海賊が襲来してなぜかクロエがさらわれてしまいます。
まるでドラえもん映画のしずかちゃんみたいに、さらわれてしまったわけです。
クロエは海賊船で踊りを踊らされ、海賊の頭に手籠めにされそうになっていました。
そんな危機を、「パン」という神様が海賊たちを海に沈めて助けてくれます。
クロエはなんで助かったのかよく分からないけど助かって、さらわれる前に集まっていた祭壇の前で力尽きて眠ってしまいます。
夜が明けて、祭壇の前で眠っていたクロエはクロエを探しに来たダフニスと再会します。
なんで助かったんだろうね?と話していたら、またあの老人が
「パン神が助けてくれたんだよ。」と教えてくれました。
そして、「パン神は昔シリンクスという女の人(または神様?)に片思いをしていたことを思い出して、君らに同情したんだ。」と教えてくれました。
とりあえず、パンという神様は思いを遂げられないまま恋が終わる苦しさを知っているだけに、ダフニスとクロエはかわいそうって思ってくれたってことなんですね。
それを知ったダフニスとクロエは、神様にお礼を言わなくちゃってことで、パントマイムを踊るんです。
パントマイムでパン神とシリンクスになりきって踊って、最後、パン神は思いがかなわなかったけどあたかもかなったかのように、自分達に重ねて最後踊りきったところで終わります。
そして最後、助かって良かった良かったということで、牧人たちが集まり踊りを踊って幕が終了、ハッピーエンドとなります。
これがダフニスとクロエのおおまかなあらすじです。
もっと短く言うと、
ダフニスとクロエは、お互い好意を持っているけど気がついてなくて、両想いと言うことに気付いたとき、「ダフニスのくせに生意気だぞ」とドルコンが現れて対決し、ドラえもんはいなかったけどダフニスが実力で勝ったんですね。
でもそこへ本物の悪党である海賊が現れて、ヒロインクロエがさらわれる。
で、助けたのはサブメインキャラのパン神。
おれも昔つらかったからさ、君たちをみすてられなかったのさ
とでも言うかのように助けてくれて、ありがとう、お礼に踊るよ!ってことです。
で、帰ってきて、また楽しく暮らし始めましたって感じですね。
ここまで要約して、うちの子は「なるほど・・・」と(笑)
バレエ劇を実際に見たわけじゃないし、原作を読んだわけじゃないからなかなか難しいですね。
ダフニスとクロエのあらすじと第二組曲
ダフニスとクロエ第二組曲は、バレエ「ダフニスとクロエ」の初演後すぐ、第3幕の音楽を抜き出して「ダフニスとクロエ第二組曲」として、ラヴェルが出版しました。
ダフニスとクロエ第二組曲は、現代にいたるまでオーケストラや吹奏楽で人気の曲として演奏され続けています。
夜明け
夜明けの音楽は、あらすじだけ見るとダフニスとクロエが再開した場面なのになぜこんなに暗い、怖い雰囲気の音楽なんだろうと不思議に感じます。
この曲は、劇では夜が明けたとき、クロエがまだ祭壇の前に横たわっている場面から始まります。
遠くの方を何の関係もない羊飼いたちが通り過ぎ、その後、ダフニスとクロエを探す羊飼いたちが登場します。
そして羊飼いたちは先にダフニスを見つけ、クロエがいないと知ったダフニスは不安の中、クロエを探します。
この場面では、第1幕で演奏された「クロエの主題」のフレーズが繰り返されています。
そしてダフニスがクロエを見つけたところで、ピアニッシモからフォルテへ。
フォルテではダフニスとクロエが抱き合う場面で演奏され、ダフニスの愛を表しています。
そして最高潮のところではパン神の喜びを表しています。
そしてオーボエの旋律によって、老人によりダフニスとクロエにパン神の過去が伝えられている場面を表します。
その裏では低音がパン神の心の動きを表現する旋律をなぞっています。
「夜明け」では2人が再開するまでの不安を表しているところが長く演奏されていることがわかります。
最後のフォルティシモは2人の再開というよりは、パン神の心の動きが表現されているところが、西洋っぽい感じがします。
パントマイム
パントマイムはダフニスとクロエがパン神に感謝の意を込めて、ダフニスがパン神を、クロエがシリンクスを演じている場面です。
初めのオーボエの旋律では、パン神がシリンクスに振られてしまうところを表現しています。
振られてしまったパン神は、葦の茎でフルートを作って演奏します。
ここがフルートソロの場面です。
悲しい気持ちからどんどん気持ちが上昇し、最後はダフニスとクロエの愛へとつながっていきます。
パン神の悲しい気持ちをダフニスとクロエが塗り替えるかのように幸せな気持ちになり、若者たちが現れて楽しい雰囲気になります。
そしてこの後、全員の踊りへと続きます。
ダフニスとクロエのあらすじ 全員の踊り
全員の踊りでは、第1幕、第2幕で演奏されたそれぞれの主題を繰り返しながら、最後はみんなで楽しく踊っている様子を表した場面です。
バレエステージでは、きっと、最後に全員が出てきて回想しているような雰囲気を出していくところですね。
最後の最後に、盛り上がって観客の気持ちも一気に高まるシーンです。
全員の踊りは文字通り、全員でハッピーエンドを喜び合っているところなんですね。
この記事ではダフニスとクロエのあらすじをご紹介してきました。
ダフニスとクロエ第二組曲は、ドラえもんで言うとのび太がしずかちゃんを助けて「のび太さんありがとう」と再び出会うシーンから最後までのところの曲です。
夜明けでは不安を、パントマイムでは神への感謝を、そして全員の踊りではクライマックスを表しています。
こうやってあらすじを知ると、最初の物語を知らないでこの曲を演奏しても感情が・・・と思ってしまったうちの子の気持ちもわかる気がします。
ダフニスとクロエは純愛物語。
というかドラえもんに置き換えられるほどの子ども同士の物語です。
演奏する中学生や高校生にも、感情を乗せやすい曲なんじゃないかなと思いました。
曲調が暗いイ短調が多いので、こんな幸せなシーンはなかなか想像しにくかったんですが、それもバレエに合わせてのことなのでしょう。
あらすじを知って曲を聴くと、また違った受け止め方ができそうですね。
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