吹奏楽部には強豪校と言われる全日本吹奏楽コンクール常連校が中学校にもあります。
中学校の吹奏楽部ではほとんどがみんな吹奏楽初心者で、入部の段階ではみんなそんなに差はないはず。
それなのに強豪校と言われる学校が出てきてしまうのは、やはり顧問の先生の指導力や指揮者としての才能によるものなのでしょうか?
うちの子も「顧問の指揮の仕方が悪いから審査員からの評価が悪いんだって」などと、自分達の演奏のことは棚に上げて金賞がとれないことをよく愚痴っていますが・・・
吹奏楽部強豪校って決まっているのでしょうか?
そして指揮者の先生が異動などで変わると、今まで強豪校だった学校は弱小になり、先生が変わっていった先の学校は強豪校へと変貌するのでしょうか?
気になる真実を調べてみました。
Contents
吹奏楽部 強豪の中学校はここ!
吹奏楽部の強豪の中学校を調べてみました。
ここでいう強豪校とは、吹奏楽コンクールでの実績がある中学校のことです。
全国大会への出場回数が多ければ多いほど、歴史ある強豪校と言うことになるのが吹奏楽の世界。
ですが最近吹奏楽部が強くなってきた学校だってあるはず!ということで、吹奏楽コンクール全国大会に出場した中でも金賞率の高い学校からご紹介していきます。
中学校 | 金賞回数 | 全国大会出場回数 | 金賞率 |
松戸市第四中学校 | 9 | 10 | 90.0% |
柏市立酒井根中学校 | 13 | 15 | 86.6% |
千葉市立土気中学校 | 9 | 11 | 81.8% |
出雲市立第二中学校 | 10 | 14 | 71.4% |
生駒市立生駒中学校 | 9 | 13 | 69.2% |
小平市立小平第三中学校 | 9 | 14 | 64.2% |
川越市野田中学校 | 5 | 8 | 62.5% |
宝塚市立宝梅中学校 | 6 | 11 | 54.5% |
出雲市立第一中学校 | 22 | 47 | 46.8% |
秋田市立山王中学校 | 17 | 34 | 50.0% |
(吹奏楽データベース 全日本吹奏楽コンクールランキングより)
強豪上位8校は単純に金賞率の高い学校を上げています。
下の2校は吹奏楽コンクール全国大会に出場回数が飛びぬけて多い、吹奏楽界のレジェンドと化している中学校です。
吹奏楽コンクール全国大会で、よく名前を聞く中学校ばかりですよね。
吹奏楽部の強豪校は指導者で決まるというのは本当?
吹奏楽部の強豪校と言われている中学校の指導者の先生を調べてみました。
先生のお名前の敬を省略させていただいています。
名前の後の数字は、吹奏楽コンクール全国大会で金賞をとった回数です。
中学校 | 指揮者1代目 | 指揮者2代目 | 指揮者3代目 | 指揮者4代目 |
松戸市第四中学校 | 上村二三子 1 | 犬塚禎浩 1 | 須藤卓眞 8 | |
柏市立酒井根中学校 | 犬塚禎浩 1 | 須藤卓眞 3 | 犬塚禎浩 6 | 板垣優麻 3 |
千葉市立土気中学校 | 広沢昭博 1 | 加養浩幸 7 | 宮下彬 1 | |
出雲市立第二中学校 | 渡部修明 6 | 錦織雄司 1 | 竹下克敏 3 | |
生駒市立生駒中学校 | 牧野耕也 8 | 山上隆弘 1 | ||
小平市立小平第三中学校 | 中村睦郎 7 | 澤矢康宏 2 | ||
川越市野田中学校 | 佐藤正人 5 | |||
宝塚市立宝梅中学校 | 6渡辺秀之 2 | |||
出雲市立第一中学校 | 片寄哲夫 1 | 渡部修明 6 | 錦織雄司 4 | 原田実 他2名 11 |
秋田市立山王中学校 | 木内博 5 | 羽川誠 2 | 細谷直 7 | 木内恒 3 |
(吹奏楽データベース 全日本吹奏楽コンクールランキングより)
上で挙げた強豪校の指揮者の先生の移り変わりを表にしました。
すると、同じ地域で同じ先生が入れ替わっているのがちらほら見られます。
例えば、松戸市第四中学校と柏市立酒井根中学校。
この2校は指揮者の先生が入れ替わっていますが、同じ先生が出入りしています。
この2校は同じ千葉県で場所が近くのようです。
教職員人事異動のPDFを見てみると、市をまたいで移動する先生は多くはありませんが、ちょこちょこみかけるので無い話ではないようです。
また出雲私立第一中学校と出雲市立第二中学校。
この2校は同じ出雲市なので先生の異動があります。
そして面白いことに、出雲第一中学校から出雲第二中学校へ「渡部修明」先生が異動してきた途端に、いきなり出雲第二中学校の吹奏楽部が全国大会へ出場し、なんと金賞まで受賞しているんです。
さらに、千葉県の松戸市第四中学校と柏市立酒井根中学校では、先生が入れ替わった初年度はどちらも全国大会へ行くものの銀賞、そして次の年から金賞という流れも。
さらには、犬養先生や須藤先生ではない、ここの表にない先生が顧問の時は全く金賞が取れていない、または全国大会へも出場できていない年もあるんです。
他の学校に関しても調べてみると、同じような傾向がみられました。
これはやはり、指導者の力で吹奏楽部が強豪校へとのし上がるという現象を裏付けていると考えて良さそうです。
吹奏楽部強豪校 先生の指導方法
中学校吹奏楽部の強豪校である柏市立酒井根中学校のHPには板垣先生の、松戸市第四中学校のHPには須藤先生の、吹奏楽部の指導についてのコメントが掲載されています。
パートを育てる
それぞれ、同じ地域の先生だからと言うこともあるかもしれませんが、お二人がそろっておっしゃっているのは「パートを育てる」ということです。
うちの子の先生は、残念ながら合奏以外で指導をしたことはないそうです。
ですがこの強豪校2校の先生は共通して
- どうしたら自分の思い描くサウンドを生徒たちに伝えることができるか
- パートを育てるにはパートリーダーを育てる
といった内容のことを話されています。
つまり、全体を指導するのではなくそれぞれのパートのリーダーを育てて、作りたいサウンドに近づけるように指導しているということなんですね。
それは新入部員の楽器選びの時から始まっているそうです。
- 先生がパート(楽器)を決める
- 将来パートリーダーとしてしっかりまとめてくれそうな子を各パートに1人は入れる
体格や口の形、吹いてみてどうなのか?ということで楽器は決まるんだと思いがちですよね。
だから希望の楽器になれなかったら、どうして私は・・・下手だったんだろうか?などなど、考えてしまいがちです。
でも強豪校の先生は、初心者にそれはそこまで求めていなくてメンバー構成と性格、本人の希望を交えて考えて選んでいるんですね。
さらに、希望の楽器になれなかった子には「あなただからこのパートを任せたんだよ」と一言添えるのだとか。
生徒のモチベーションを上げるためのフォローを忘れないんですね。
1年生の早いうちから演奏会を経験させる
うちの子の所属していた中学校の吹奏楽部では、1年生の初舞台は11月の文化祭でした。
それまでは、6月ごろまでひたすらマウスピース練習、やっと楽器をつけられたと思ったらロングトーン練習。
8月過ぎまでは先輩たちもコンクールの練習で忙しいのでほぼ放置です。
そしてコンクールが終わってやっと、面倒を見てもらえるといった算段になっていました。
でも強豪校では、早ければ6月か7月の演奏会に1年生も出場するのだそう。
そうすることで、自分達も早く吹けるようにならなければ!という気持ちを生み出し、上達が早くなるそうなんです。
言われてみるとそうですよね。
ずっとほったらかしで、マウスピースばかり吹いていてもつまらなくてサボってしまいます。
それよりも「下手でもいいからがんばれ!ステージだ!」と言われたら、下手でもなんでも、曲が吹けるように死に物狂いで練習しますよね。
こうやって生徒の気持ちを上げていく、やる気を出させるところも、強豪校の先生ならではのやり方のようです。
顧問の先生が部の運営をしっかりやっている
こうやって見てみると、顧問の先生がしっかり吹奏楽部と言うものをディレクションしていることが分かります。
直接指導する合奏で、あーだこーだと言うのではなく、個人個人のレベルを上げる。
そしてリーダーを育てて任せる。
まるで会社のようですが、こういった組織を中学生の中にも作り上げることが強豪校に育てる近道なのかもしれません。
忘れてはいけないのは中学生たちの練習時間。
強豪校の中学生は鬼のような練習時間を経て全国大会へたどり着いています。
顧問の先生は子供たちのハートに火をつけて「練習はきついけどがんばるぞ!」と思えるようにするのも指導力といえそうです。
吹奏楽部の強豪の中学校についてお伝えしてきました。
強豪校と呼ばれる吹奏楽部には、やはり凄腕の指導者がいると言うことが分かりました。
一度、凄腕の指導者に学んだ学校はしばらくの間そのマインドが継続されるのか、指揮者の先生が変わっても全国大会出場などの功績を残すことができるようです。
でもマインドを学んだ先輩が卒業してしまうとどうしても結果が残らなくなってくる傾向も見えます。
やはり、吹奏楽部という部活も教育なんだなと思える結果となりました。
これを知ったうちの子は「やっぱりねー」なんて言っていますが、先生ができないなら部員の誰かがしゃしゃり出てやったっていいんですけどね・・・?
一度でいいからその指導を受けてみたいと思える先生が強豪校にいる。
やはり強豪校は先生が作り上げていくものなのかもしれません。
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