シンフォニエッタ第3番「響きの森」や第2番「祈りの鐘」は吹奏楽コンクールでも多く演奏され、全国大会で金賞を受賞している学校も多くいます。
吹奏楽コンクールの自由曲選びをしている子供が、シンフォニエッタ「響きの森」「祈りの鐘」をきいて、
「良い曲だよね~。福島弘和っていう作曲家の人良い曲が多いよね。でも響きの森は第3番で祈りの鐘は第2番なんだよね。第1番ってないのかな?調べても出てこないんだよね。」
というので、私も調べてみたけど全く出てきません。
これはどうしたことでしょう。
ちょっと意地になってシンフォニエッタ第1番について詳しく調べてみました。
シンフォニエッタ「祈りの鐘」「響きの森」の前に作曲されているであろう、シンフォニエッタ第1番について順を追ってご紹介します。
シンフォニエッタ響きの森
「シンフォニエッタ響きの森」は東海大附属高輪台高等学校吹奏楽部の委嘱により2018年に作曲されました。
同年2018年(平成30年)の吹奏楽コンクールで東海大附属高輪台高等学校吹奏楽部が演奏しています。
演奏風景が見られないのが残念なのですが、この演奏が東海大高輪台高等学校吹奏楽部オリジナルです。
初番から木管の激しい旋律で始まります。
何度も出てくるオーボエのソロ。
金管木管共にタンギング地獄。
これはレベルの高い学校にしか演奏できない曲だと見せつけられるようです。
中盤に入り、ゆったりした曲調とメロディー。
支えている低音の懐の深さと技術力も圧倒的です。
そして雰囲気を盛り上げるパーカッションも絶妙すぎるバランスで、ほんと圧巻としか言えません。
響きの森は森をイメージして作ったというわけではないそうです。
福島弘和さんが「音と音との響き合う様子が木と木が生い茂って森のように聞こえる」と思い、響きの森と命名されたそう。
そして翌年2019年(令和元年)には、柏市立酒井根中学校、札幌市立清田中学校、春日部共栄高等学校、東海大学付属札幌高等学校の4校が響きの森を吹奏楽コンクール全国大会で演奏しています。
支部大会まで含めると、19校もの学校が演奏していました。
2020年(令和2年)の今年は響きの森を自由曲に選ぶ学校が増えそうな予感がしてきます。
シンフォニエッタ「響きの森」の前は「祈りの鐘」
シンフォニエッタ「祈りの鐘」は春日部共栄高等学校の委嘱によって2010年に作曲されました。
同年2010年に春日部共栄高等学校が吹奏楽コンクールで演奏しています。
これも演奏風景が見られないのが残念ですが、春日部共栄高等学校オリジナル演奏です。
初めのオーボエソロ、途中からのテンポが速くなるところや雰囲気が響きの森に共通しているように感じます。
響きの森に比べると少し曲調が怖いのかな。
最後はとても盛り上がって一気に終わっていきます。
オーボエの旋律が他の作曲者の方の曲に比べて多い気がするなと思ったら、どうやら福島弘和さん自身がオーボエ奏者のようです。
だからオーボエの良さを引き立たせる旋律が多いのかな?と感じました。
「祈りの鐘」と命名したのは曲の途中でのチャイムが印象的に鳴り響くといいなと思ったからなんだそうです。
翌年2011年から2016年までに、11校が全国大会で演奏しています。
支部大会まで含めると84校もの学校が演奏しているんですよ。
福島弘和さんの曲は吹奏楽コンクールで人気なんですね。
シンフォニエッタ第1番は「響きの森」や「祈りの鐘」に比べて有名ではない
シンフォニエッタ第2番、第3番とあるのなら、第1番だってあるはずですよね。
調べてみたところ、シンフォニエッタ第1番は「シンフォニエッタ」と命名されていて第1番という番号はついていないことが分かりました。
楽譜がアコード出版にて販売されているのを発見しました。
演奏も探したのですが見つかりませんでした。
楽譜と同じページからCDが購入できます。
シンフォニエッタ第1番ならぬ「シンフォニエッタ」は、「大編成の吹奏楽団の自由曲として演奏効果の高い作品」という依頼のもとに作られた曲だそうです。
その背景には、福島弘和さんが作曲された吹奏楽コンクール課題曲の「稲穂の波」「道祖神の詩」がとても好評だったことにあるようです。
その後、数々の賞を受賞されたのを機に知名度がアップし、今のような大人気の作曲家になられました。
「シンフォニエッタ」を作曲したのはまだはじめのころだったため、演奏される機会が少なくて曲が有名になっていないのではないかと思われます。
吹奏楽コンクールにも流行があって新しい良い曲が流行る傾向がありますよね。
こういった古い曲は有名校が取り上げて全国金賞をとったりする機会が無ければ、なかなか日の目を見ないのかもしれませんね。
この記事ではシンフォニエッタ響きの森、祈りの鐘に続き、この2曲の前に作曲されたシンフォニエッタ第1番についてご紹介しました。
シンフォニエッタは吹奏楽コンクールやそのほかの演奏会であまり演奏されていないのと、作曲されたのが2000年代初めで今のようにネットが使われていない時代だったため、音源が落ちていないのではないでしょうか。
今回、シンフォニエッタ第3番響きの森が注目されることで、「シンフォニエッタ」も演奏される機会があればいいなと思います。
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