吹奏楽部の楽器決めの日。
子供は半泣きの顔で家に帰ってきました。
希望の楽器になれなかったと。
私が吹奏楽経験者じゃなかったら子供と一緒に悲観的になっていたことでしょう。
でも幸いにも私は吹奏楽経験者で、吹奏楽部に入って希望の楽器になれる人はほとんどいないということを知っています。
私もそのうちの1人だったので。
そして希望の楽器になれなかった人たちが、卒業するころには自分の楽器を愛し、自分の楽器に誇りを持つようになることも知っています。
だから子供にかけた言葉はただ1つ。
「やってごらんよ、楽しくなるよ」
この記事では希望の楽器になれなかった人がどうやって自分の楽器を好きになっていくのかをご紹介します。
Contents
吹奏楽部では希望の楽器になれない人の方が多い
吹奏楽部では希望の楽器になれない人ばかりです。
希望者が多いのは、トランペット、サックス、クラリネット、フルートです。
希望者が少ないのは、トロンボーン、ホルン、チューバ、ユーフォニアムあたりです。
でも吹奏楽を作るためにはどの楽器も欠かせません。
ですから先生が口の形を見て決めたり、人気のない楽器から希望者を募る形で決めていくなどいろいろな方法が取られています。
熟練の先生になると顔や性格で「この子はこの楽器があってる!」と分かることもあるそう。
ですから希望通りにいかないパートの先輩は毎年の恒例行事として自分の体験を語り、後輩をなぐさめ、楽器の良さを説き、良い感じのソロCDをかけてこんなにかっこいい楽器なんだと伝え、一緒に頑張ろうねと士気を高めるところからパート練習はスタートするのです。
吹奏楽部で希望の楽器になれなくてもがんばろう
希望の楽器になれなかった子が卒業時には楽器に名前を付けるくらい大好きになっているのは吹奏楽あるあるです。
たしかにあの楽器がやりたかったなという悔いは残ります。
でも悔いと吹奏楽の楽しさは別のところにあります。
希望の楽器になれなくて悲しい気持ちを切り替えるために低音楽器の先輩が後輩にしていることをご紹介します。
CDを聞いてみる
その楽器のソロCDを聞いてみてください。
こんなことができるんだ、こんなに素敵な音が出せるんだ、それを知るだけで目標ができて楽しくなります。
縁の下の力持ち的な楽器は目立つことがないのでマイナーだと思われがちですが、一番エネルギッシュに音にボリュームを出しているのがこの楽器たちだということが分かると思います。
その楽器の良さを先輩に聞く
先輩だって希望の楽器じゃなかった人ばかり。
だからこの楽器をどうやって好きになったのか、合奏でどんな役割があるのかを聞いてみましょう。
聞かなくてもつまらなさそうにしていれば話してくれるかもしれませんね。
自分の役割を理解することで、楽器に向き合えるようになりますよ。
一生懸命練習してその楽器で1番上手なプレイヤーになる
上手になると1stや3rdが回ってくるようになります。
しかも1人で任されることも。
そうなると責任がのしかかってくると同時に、自分に自信がわいてきます。
自分は吹奏楽部にとって必要な人間だと思うことができるようになります。
そうなってくると、楽器に愛着がわいてきます。
まるでポケモンのように一緒に頑張ろうなって楽器に心の中で呼びかけるようになります。
これがまさに吹奏楽愛なのです。
吹奏楽部に入って希望の楽器になれなかった子供の話
うちの子はフルート希望でした。
いとこのお姉ちゃんが音大に行くほどのフルート吹きで、音大に入学したのを機にくれた古いフルートを持っていて音を出せるからというのが理由でした。
いとこのお姉ちゃんへの憧れのようなものも持っていたと思います。
子供の学校では人気のないパートから決めていくスタイルで、チューバからスタートし、ユーフォ、トロンボーン、ホルン、パーカッションの順で決めていったそうです。
最初は誰もチューバを吹きたいとは思っていないため、チューバが決まるまでにまる2日かかって、そのあとトロンボーンまでまる2日かかったそうです。
その間に、根負けするいわゆる「良い人」たちが金管楽器へと自ら手を挙げてくれて、決まっていきました。
ホルンはなぜか人気で3人と書いてあるのに5人も希望者がいて、こんなことは滅多にないからとホルンは5人とも決まったそうです(笑)
そんな様子をじーっと見つめて待っていた子供。
ですが最後に誤算が。
ホルンが5人になったので、フルートが3人から2人に減らされていたんです。
クラリネット希望だった子が他の楽器にうつっていたので、クラリネット5人に対して希望が4人。
フルート希望が3人。
フルートは2人しか要らないので1人はクラリネットに移ることになりました。
最後の最後でじゃんけん。
負けた子供はクラリネットになりました。
クラリネットなら良いじゃんと言われそうですが、子供はフルートが吹きたかったので悲しかったようです。
私も「え、フルートなら楽器があったのにクラリネットだなんて・・・買わなきゃいけないね?」という感じでちょっとしょんぼり。
もちろん、クラリネットパートに後輩を慰める儀式なんてないのでうちの子は自分で乗り越えるしかありませんでした。
とはいえ、楽器を吹く段階になるとすぐにクラリネットも楽しい!と言い始めたので心配は最初の3日で終わりましたが(笑)
音を出してみて楽器の良さが分かる、この楽器にもこんな役割があるんだと気付く、それが悲しい気持ちを乗り越える一番の薬のようです。
何しろ楽しそうに楽器に名前を付けている先輩のそばで練習するわけですから、その様子を見て楽しくならないわけがないんですよね。
希望の楽器になれなくて悲しい気持ちを乗り越えるには、とにかくやってみることです。
嫌いな食べ物だって、食べてみると美味しいことだってたくさんありますよね。
しばらくは「あーあ」って思うこともありますが、続けてみることです。
きっと大丈夫ですよ。
このご時世、お買い物に行くのも大変ですよね。
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