クインテットの宮川彬さん作曲の「僕らのインベンション」。
曲が素敵すぎて「僕らのインベンション」やってみたい!と思うものの、テンポと拍子がコロコロ変わって難しそう。
特にクラリネットはいろんな意味で死ぬ・・・とうちの子は曲には惚れたものの難しそうだなぁとしり込みしています。
どんなテンポになっているのか、僕らのインベンションの楽譜を見せてもらいました。
Contents
僕らのインベンションのテンポと拍子
どれだけテンポと拍子が変わっているのか、僕らのインベンションの楽譜を見せてもらいました。
テンポ
僕らのインベンションの楽譜を見せてもらうと、初めはテンポ120でスタート。
そのあとritがかかってテンポ112になります。
そのあとは8分音符=90に。
ここからは8分音符でのテンポ表示が続きます。
一覧にしてみます。
- ♩=120
- ♩=112
- ♪=90
- ♪=156
- ♪=160
- ♪=192
- ♪=144
- ♪=46
- ♪=160
- ♪=155
- ♪.=90
こんなにテンポが変わるんですね。
テンポが変わる前はほとんどritでゆっくりして、2小節か3小節くらいゆっくり演奏して、そのあとテンポが戻るようなパターンが繰り返されています。
またテンポが変わるところで、調も変わります。
これは・・・大変そう。
拍子
僕らのインベンションでテンポよりも恐ろしく変化しているのが拍子です。
2/4→6/8→2/4→3/4→2/4→3/8→5/8→6/8→5/8→6/8→3/8→2/4→3/8→2/4→3/8→2/4→3/4→4/4→3/4→4/4→3/4→2/4→3/4→3/8→2/4
25回テンポが変わります・・・
おそろしや。
このゆらゆらとした拍子の変化やテンポの流れに付いていくのは大変そうですね。
8分の6は1・2・3、1・2・3で行けそうですが、8分の5は1・2・3・1・2になるので慣れないうちは難しそう。
そこから4分の2は・・・えっとえっとってなりそうですね。
4分の2だと8分の4になるので1・2・3・4のカウントをすると分かりやすいのかも・・・
楽譜がメモだらけになりそうな予感(笑)
そして楽譜を一生懸命見ていたら指揮を見れなくて合わないパターン・・・
音楽を小さいころからやっている得意な人ならいいけど、吹奏楽で音楽を始めた人にはなかなか厳しそうな楽譜です。
でも、変拍子の曲に慣れている学校なら楽勝かも?
曲に乗って演奏出来れば数えなくても感覚でできちゃいますし・・・
変拍子の曲を演奏したことのある学校は、この曲も楽しく演奏できそうですね。
僕らのインベンション 「インベンション」を理解して演奏しよう
僕らのインベンション、テンポや拍子もそうなんですが、曲を理解するのも大切なようです。
もともと「インベンション」ってメロディーを追いかけていくような旋律が続く曲のことを言うんですよね。
バッハのインベンションはピアノを習ったことのある人ならなじみが深いのではないでしょうか。
ピアノでは右手の旋律を左手が追いかけていくんですね。
たしかに僕らのインベンションもユーフォとトロンボーンの旋律をトランペットが追いかけますよね。
この辺りから聞くとよくわかりますよね。
木管も金管のメロディーを追いかけていますし、バスパートも同じような旋律を追いかけています。
つまり僕らのインベンションは現代のバロック音楽とも言えるのかもしれませんね。
ってことは、音階のインベンションっぽいところはあまり表情をつけず、一定の音量で道から外れないように演奏するのかな?
という発想にうちの子は行きついたようです。
でもそれだとつまらないからテンポが変わったり拍子が変わったり、調が変わったりすることで曲に表情をつけてる・・・?
うぅぅぅ・・・と悩んでいます。
どちらにしても曲の理解も曲の演奏も技術的にも、難しそう。
良薬は口に苦しじゃないけど素敵な曲は難しい・・・
僕らのインベンション テンポと導音
作曲者の宮川彬さんは「音は常に主音に行きたがっている」「音楽理論」という言葉を会報吹奏楽で、メッセージとして語られています。
そこにテンポと合わさってリズムが生まれると。
私は音楽の専門家じゃないからよくわからないけど、「気持ちのいい音の響きになるように音はいつでも動きたがっているっていう解釈でいいのかなぁ?」なんて子供と話していました。
そう思って「僕らのインベンション」を改めて聞いてみると、最初の出だしの部分は音を探してキョロキョロ、小さな生き物のように動いている感じが読み取れる気がします。
そしてユーフォ&ボーンのメロディで、まず最初の居場所を見つけた感があるのかな。
宮川彬さんは音楽理論で1夏遊べる曲とおっしゃられています。
難しい事はよくわからないけど、適当に楽器を吹いていたらなんとな~く
「この音の次はこれが来たら気持ちいいのに」と思う瞬間や「この音の次がどうしてこの音につないだんだろう?」と思う音の組み合わせってありますよね。
例えば龍潭譚ならラの次はシじゃなくてシのフラットじゃないとなんかしっくりこない。
僕らのインベンションで言うなら、短調のところも暗くなりすぎないように、極力明るい音で鳴らしたい。
だからニ短調の「レミファソラシドレ」も、全部じゃなくて一部をちょっとニ長調にまぜたら僕らのインベンションっぽい響きになるよね、みたいな。
知っている曲とかアニソンなんかをインベンションぽくテンポや拍子を変えたら僕らのインベンションみたいになった、っていう瞬間があったりするはず。
しっかり練習することになったらまた感覚は変わるのかもしれないけど・・・
そんな感じの捉え方でいいのかなぁ?と思ったりしています。
個人的な感想ですけど。
楽曲を演奏してガツガツ練習するのもいいですが「このフレーズインベンションっぽよねー」なんて言いながら遊んだりすると、仲間同士での理解も深まるんじゃないかなと。
勝手に想像していますが子供は受け入れてくれるのかどうか・・・(笑)
この記事では僕らのインベンションのテンポと拍子、そして曲に付いてご紹介しました。
この曲、聞いた瞬間にすごくいい!って思いましたよね。
でもその裏には考え抜かれた音楽理論があるのだと知ると、人間の感情や心情も全部理論で説明できるものなのかなぁと考えさせられます。
感情とは論理で理論で説明できるんですと言われてるみたいでちょっとさみしいけど、全ての自然現象は数式があてはまると誰かが言っていたように感情を揺さぶる音楽も理論や数式でできちゃうってことなんですね。
1つの曲からこんな話に発展することになるとは思いませんでしたが、結局、音楽も座学と練習の積み重ねってことなのかなと。
宮川彬さんは、練習ばかり熱心にするのもいいけどその裏にある音楽理論も、音楽を一生懸命やっている人には知っておいてほしいなと言う気持ちもあったのかな~なんて思ってしまいました。
さて。次は課題曲Ⅳを聴くそうです。

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