「Esクラ(エスクラ)って休みが多すぎるんだよね。本当にいるのかっっていう・・・必要性を疑うわ。ほんとに吹奏楽に必要なんかな?」
とぼやく子供。
どうやらEsクラ担当になった曲があるらしく。
初めは「クラからEsクラに持ち替えなんてなんかかっこいいよね!吹奏楽部でも何年かに1人しか持ち替えパートになれないんだよ。」ってウキウキしていたのに。
「Esクラって言ってもさぁ、出番ちょっとしかないし。いっぱい吹けるとこあった!と思ったらクラのファーストと同じメロディがずっと続くんだよ、そんなのクラで良くない?Esクラである必要性がない。」
とEsクラの必要性のなさを私にゴリゴリ力説してくるわけですが・・・
吹奏楽におけるEsクラの必要性って何なんでしょう?必要だからパートがあるんだと思うんですけどね。。。
Contents
吹奏楽でのEsクラの必要性とは?
吹奏楽におけるEsクラの一番重要なお仕事は、メロディーに厚みや輪郭をつけること。
それがEsクラの必要性とも言えそうです。
ピッコロを補強する
クラやフルートはとてもやわらかい音をしています。
そうすると、アクセントが付きにくく金管に埋もれてしまう箇所が出てくるんですよね。
そんな側面を補うのがピッコロで、そしてEsクラはピッコロで足りない厚みを補強する為にいると言ってもいい立ち位置です。
そしてクラよりも特徴的な、子犬が鳴くような高い音でメロディーに輪郭を与えます。
そうすることで全体がひきしまるんですよね。
つまりEsクラは吹奏楽において、きんぴらに入れる唐辛子のような役割を果たしているんです。
埋もれがちな木管の音を際立たせる
一斉にアンサンブルとなったとき、埋もれがちなクラの音。
それを「あっ、クラリネットの音がしてるな!」と目立たせる役割もあります。
よく表しているのが2020年の課題曲Ⅱ龍潭譚です。
Esクラを持っているのはクラリネット前列、手前から数えて4番目。フルートの隣に座っている女の子です。
木管が一斉にもりあがってメロディーを吹くとき、この曲調に合った雰囲気の平べったいクラリネットの音が鳴っているのが聞こえるでしょうか。
この音はEsクラが入らないと聞こえない音です。
他にもここぞ!というときに音を鳴らしているのが分かるでしょうか。
そして他はちょっと控え目に鳴らしてピッコロの補強をするんです。
トップにもなりピッコロに対しては通奏低音のような役割もあり、実は意外と働き者なんですよね。
Esクラが吹奏楽部に無い場合
小さな部だとEsクラが無いところもあります。
Esクラはスコアで見るとカッコつきになっている場合も多くあります。
ピッコロやオーボエ、B♭クラで代用できるなら代用する場合も。
でも、いくら代用できたとしてもあのEsクラ独特の平べったい大きな音はなかなかほかでは補うことが難しいです。
わざわざ薄いリードをB♭クラリネットにつけて対応しようとしたこともあったようですが、とてもじゃないけど聞けるものではなかったとか(笑)
Esクラが部に無い場合は無しでも良いのですが、曲自体に厚みが出ないのと、ピッコロだけでは全員のユニゾンのときに音が埋もれてしまうのでなんか締まらない感じになることも多いです。
この変わった感じのメロディーが雰囲気出してるよねぇという場合はほとんどEsクラが活躍しています。
和風の曲や中国風の曲では特に重宝されているような。
ですから楽譜で1枚以上、Esクラが登場する箇所があるのなら、できればみんなでお金を出し合ってでもEsクラを入れたほうが曲全体がぴりっと締まります。
吹奏楽でのEsクラの必要性を疑いたくなるのも分かる
吹奏楽におけるEsクラの必要性を力説してみましたが、Esクラの必要性を疑いたくなるのもよく分かります。
休みが多い
上の2020年課題曲龍潭譚の動画を観ても分かりますが、結構休みが多いです。
クラが吹くところではほとんどお休み。
どちらかと言えば、フルートやピッコロと一緒にセッションが多いです。
かと思えばクラファーストと同じ旋律でメロディーだけどピッチが合わせにくい。
このように本当に補強目的であることが多いので、オプション的な動きが多くて役割が良く分からなくなってしまうのもEsクラです。
ピッコロの人に邪魔者扱いされる
音が出過ぎてしまうため、ピッコロの人に「私の音が聞こえなくなる」と言われたりすることも。
でもステージで聞こえにくいだけで実際はピッコロの音は客席によく響きます。
とは言っても、Esクラの音は意外と大きいので全体のバランスをよく考えて演奏することが大事です。
出しゃばりすぎるのはよくないんですね。
B♭クラに持ち替えると息が苦しい
B♭クラの要領で吹くと息が入りすぎて汚い演奏になるし、Esクラを持っていてB♭クラに持ち替えると息が苦しくなることも(笑)
どうせならどっちか1つで吹き続けられた方が気楽です。
クラリネットに比べて薄っぺらい音が出てしまうので、注意深い演奏をしなくてはなかなか聞こえる音になりません。
リードを厳選したり、アンブッシャを考えて丸い音を出す練習が必要です。
その割に吹奏楽内での必要性って言うのが見えてこない・・・と言うところがジレンマにつながりやすいのかなとも思います。
Esクラの吹奏楽における必要性について考えてきました。
子どもも、そうだね、それは分かるんだけどね・・・とモゴモゴ言ってます。
Esクラをクラのファーストよりも音が高いから、メロディーが沢山ふけるし目立つだろう!という気持ちで受けてしまうと、そのギャップから必要性に疑問を持ってしまうのかもしれません。
クラ吹きでしかもファーストが向いている子というのは、目立つメロディーを吹くのが大好きな子が多いです。
そしてEsクラは音が大きいわりにピッチをとるのが難しいし、ちょっとした技術が必要なので、目立つことになれているクラファーストから持ち替えで引き抜くことが多いです。
そうなると目立つと思っていたはずが目立つ場面が少ないという悩みを抱えることになってしまうんですよね。
結果、Esクラつまらない・・・となってしまいます。
Esクラは音の高いクラとはいえ役割が全く違います。
どちらかには通奏低音に近い役割を持っていることを理解しておけば、吹奏楽でのEsクラの必要性って何?という疑問や不満はなくなるのではないでしょうか。
この現実を受け入れられるEsクラ吹きがどのくらいいるのだろうか・・・知ってしまったらEsクラの押し付け合いになりそう(笑)
子供も、せっかくEsクラという機会をもらったのだからがんばってほしいです。
このご時世、お買い物に行くのも大変ですよね。
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