吹奏楽にはもともとオーケストラの曲だったものを吹奏楽で演奏できるようにアレンジしたオーケストラアレンジの曲が多く存在します。
一部の音楽家の方や音楽愛好家の方からは、吹奏楽向けのオーケストラアレンジは音楽とは言えないという意見が多く見られるのが気になります。
「音楽じゃないって、、、吹奏楽の侮辱じゃない?」と、ちょっとケンカ腰な気持ちになってしまいますが、音楽じゃないという人が多いということは何か事情がありそうです。
そこで吹奏楽向けのオーケストラアレンジ曲が音楽じゃないと言われる理由について調べてみました。
吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏することが音楽じゃないと言われる理由
オーケストラアレンジは吹奏楽には必要ない、オーケストラアレンジは音楽じゃないと言われる理由は
- オーケストラではそれぞれの楽器の役割が決まっているが吹奏楽ではあいまい
- オーケストラアレンジを演奏する吹奏楽はオーケストラのニセモノのような演奏を強いられる
- 管楽器で弦楽器のような音は出せない
- 吹奏楽はまとまりが悪い
- 管楽器は複数本で合わせる楽器ではない
- 吹奏楽自体が音楽じゃない
などたくさん言われています。
つまり要約すると、「オーケストラの曲はオーケストラで聴くのが一番でしょ?それなのにわざわざ吹奏楽用にアレンジする意味が分からない」ということなんですね。
それと、
吹奏楽なんて子供の遊び。
しかも吹奏楽コンクールの金賞ばかり目指して、その後音楽でどうしたいか、どうなりたいかっていうのがない。
音楽はスポーツで金賞とるのとは違うはずなのに、強豪校って何?
音楽のプロを目指すコンクールはその後の音楽活動を容易にするためのもので、金賞をとって終わりじゃない、それなのに吹奏楽コンクールはそこで終わり。
だから学校の吹奏楽部は音楽じゃなくてスポーツと同じって言う人も。
吹奏楽ファンからすると、腹立たしいですね(笑)
吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏するときのデメリット
吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏するときは、オリジナルでは何の楽器が自分のパートを演奏していたのか?をしっかり研究しなくてはいけません。
有名な曲であればあるほどオーケストラのイメージが強いので、聴く人のイメージから離れすぎないように念には念を入れなくてはなかなか受け入れてもらえないようです。
弦楽器の旋律をクラリネットやトランペットが吹くことが多いですが、
- 弦のように滑らかに
- 弦のようなかすれた音を出して
- ピチカートのところだからもっと弾むようなスタッカートで
など、管楽器では無理だろう・・・という要求をされることが多くあります。
子供の学校では「どうしても弦のかすれた感じを出したいからクラリネットのところをアルトサックスも吹いて!」という指示が飛んだとか・・・
オーケストラのイメージを壊すまいとするあまり、本物を求めすぎて吹奏楽らしく演奏できなくなってしまうデメリットがあるんですよね。
オーケストラでは管楽器は多くても2本ずつくらいしかいないので、吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏するとごちゃごちゃしてしまうことも。
弦の旋律をクラリネットやフルートでカバーするのもかなりの技術力が必要だったりもするので、たしかに難易度が高い曲も多いんですよね。
吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏するときのメリット
吹奏楽でオーケストラアレンジを演奏するメリットは演奏する側にあります。
- 有名な曲を演奏したという思い出になる
- 吹奏楽オリジナル曲とは違ったテイストの曲を体験できる
- 幅広い音楽に触れることができる
演奏する側のメリットは、吹奏楽は学校の部活という点で教育の一環としてとても有意義なことなんだとか。
オーケストラアレンジは知っている曲、有名な曲、聴いていてすごいなと思う曲が多いので、吹奏楽部内で「演奏したい!」っていう意見が多いようです。
聴く人のことも考えながら選曲はしますが、学校の部活では演奏する人が楽しいのが一番という考え方もあるので、それはそれで楽しめていいことなんだそうです。
またオーケストラではこんな感じ、吹奏楽ではこんな感じといろんなテイストを経験することで音楽の知識も増えますし、技術力もアップします。
オーケストラならではのパーカッションの目立つところもあったり、それぞれの楽器のソロがあったり、個人個人で成長できるのもオーケストラアレンジの良いところですよね。
うちの子どもも、マーチも楽しいけどオーケストラアレンジの方がテンポが変わるし、感情が出しやすくて好きと言っています。
『ホルスト 第一組曲』みたいに吹奏楽で演奏して楽しい曲もあるけど、『カバレリアルスティカーナ』のように感情をこめて美しい曲を演奏してみたい女子部員も多いですよね。
吹奏楽は本来は軍隊行進の曲を演奏する為に作られた団体で、クラッシックなんて演奏する団体ではないと言われればそうなのかもしれませんが、「オーケストラの曲だって吹奏楽でやろうと思えばできるんだからなんでもやって良くない??」という学生らしい素直な感情が見え隠れしていて。
私はいいなと思うんですよ。
この記事では吹奏楽でオーケストラアレンジ曲を演奏するのは音楽じゃない?ということについてお伝えしてきました。
オーケストラをオーケストラとして楽しみたい人にとっては確かに、吹奏楽のオーケストラアレンジはニセモノっぽく聞こえるのかもしれませんね。
でも演奏する人からすると、有名な曲を演奏するのは楽しいし達成感もあります。
それにオーケストラアレンジを演奏することで勉強にもなるし、将来の夢にもつながるかもしれませんよね。
どちらの意見もあって良さそうですが、私は吹奏楽が好きだし演奏する楽しさも知っているので音楽じゃないかどうかは別にして楽しければいいんじゃないのかなと思います。
吹奏「楽」だし。
うちの子もオーケストラアレンジは楽しいと言ってるし、低音楽器の子もメロディーが吹けたりして楽しいと言っているので、やっぱりオーケストラアレンジは学校の吹奏楽部にとってあったほうがいい曲なのではないでしょうか。
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